【建設業許可】連結決算をしている親会社・子会社の事業年度終了届と経営事項審査(経審)の注意点
2025/11/06
建設業を営む会社にとって、毎年必ず行わなければならない手続きの一つが「事業年度終了届」です。
また、公共工事を受注する際には「経営事項審査(経審)」を受ける必要があります。
特に連結決算を行っている親会社や子会社の場合、
「事業年度終了届は連結で出すのか?」
「経審の経営状況分析では連結財務諸表を使えるのか?」
と疑問を持たれる方が多いのではないでしょうか。
本記事では、親会社・子会社のケースごとに注意点を分かりやすく解説します。
目次
1.建設業許可における「事業年度終了届」とは?
建設業許可を受けている業者は、毎事業年度終了後4か月以内に「事業年度終了届」を提出する義務があります。
提出内容は以下のとおりです。
- 工事経歴書
- 直前3年の工事施工金額
- 財務諸表
- 事業報告書(株式会社の場合)
ポイントは、建設業法では「個別決算ベース」での提出が必要という点です。
2.連結決算をしている親会社・子会社の場合の扱い
親会社と子会社がそれぞれ建設業許可を持っているケース
親会社・子会社はそれぞれ独立した法人のため、個別に事業年度終了届を提出します。
経営事項審査(経審)もそれぞれが独自に申請します。
連結決算は使用できず、単体決算での審査となります。
子会社のみ建設業許可を持っているケース
子会社が許可業者であれば、子会社単体の決算で事業年度終了届・経審申請を行います。
親会社の連結決算は直接的には利用できません。
3.経営事項審査における「経営状況分析」と有価証券報告書
経審の際には、登録経営状況分析機関による「経営状況分析」を受ける必要があります。
このときに提出する書類が「財務諸表」です。
親会社が上場企業である場合の特例
上場企業や有価証券報告書の提出義務がある親会社については、財務諸表の代わりに有価証券報告書を提出することが可能です。
ただし、建設業許可の「事業年度終了届」自体は、個別決算ベースでの作成が必要となる点に注意が必要です。
また、経営状況分析(Y点)の算出では、保証債務やグループ会社との関係が影響するケースがあります。
グループ全体の財務関係を把握しておくことが重要です。
4.実務上の注意点
個別決算書を必ず用意
結決算しか公表していない場合でも、建設業法上は単体決算の財務諸表が必要です。
親会社は有価証券報告書を提出できる
経営状況分析においては、上場企業や有報提出会社は財務諸表の代替として利用可能です。
スケジュール管理が重要
事業年度終了届を提出してからでないと経審は申請できません。決算から4か月以内に確実に手続きを進めましょう。
5.まとめ
- 建設業許可・経審は法人ごと(単体決算ベース)で行う。
- 連結決算は使用できず、親会社・子会社それぞれが独自に事業年度終了届・経審申請を提出する。
- 親会社が有価証券報告書提出会社であれば、経営状況分析では有報を活用できる。
公共工事の入札参加を目指す会社にとって、事業年度終了届と経審は欠かせない手続きです。
特にグループ会社や親子会社関係のある企業は、連結と個別の区別を意識して早めに準備を進めることが、スムーズな経審申請につながります。

