不動産の共同名義人が亡くなった時の手続きと、共同名義を解消する方法【初心者向け】
2025/04/04
1. 共同名義人が亡くなったときの手続きの流れ
(1)遺言書と相続人を確認する
まず、亡くなった方(被相続人)が遺言書を残しているかを確認します。なければ、法律で定められた相続人(法定相続人)が不動産の持分を受け継ぎます。
▶【用語解説】
・遺言書:財産を「誰にどう分けるか」を書いた法的な書類
・被相続人:亡くなって財産を遺す人
・法定相続人:民法で決められた相続を受ける人(例:配偶者、子など)
(2)相続人全員で遺産分割協議を行う
誰がどの財産を相続するかを相続人全員で話し合います。合意した内容は遺産分割協議書という書類にまとめます。
▶【用語解説】
・遺産分割協議:相続人同士の話し合い
・遺産分割協議書:話し合いの結果をまとめた文書。のちのトラブル防止にも重要です。
(3)相続登記(名義変更の手続き)をする
不動産の名義を相続人へ変更します。これは相続登記と呼ばれ、法務局で手続きを行います。
必要な書類の例:
- 相続人全員の戸籍謄本
- 不動産の登記簿謄本
- 遺産分割協議書
- 印鑑証明書
▶【用語解説】
・登記:土地や建物の所有者情報を法的に記録する制度
・法務局:登記や法律関係の事務を扱う国の機関
(4)相続税の申告・納付を行う(10ヶ月以内)
相続する財産が一定以上の金額(基礎控除)を超える場合は、相続税の申告と納付が必要です。
▶【用語解説】
・相続税:相続によって財産を得たときに発生する税金
・基礎控除:相続税がかからない財産の限度額(例:3000万円+600万円×相続人数)
2. 共同名義を解消する4つの方法
(1)不動産全体を売却する
共有者全員で不動産を売って、その売却代金を分ける方法です。もっともシンプルな方法で、名義もスッキリします。
(2)共有者同士で持分を売買する
たとえば「弟が兄の持分を買い取る」など。持分とは不動産に対する自分の権利の割合のことです。
▶【用語解説】
・持分:共同名義不動産の中で、自分が持っている割合(例:2分の1など)
(3)贈与または譲渡する
お金を受け取らずに持分を相手に譲る(贈与)、あるいは条件付きで渡す(譲渡)こともできます。この場合も登記変更が必要です。
(4)裁判による解消
共有者どうしで合意できないときは、裁判所に「共有物分割訴訟」を起こして解消する方法もあります。ただし、時間と費用がかかるので、最終手段と考えましょう。
3. なぜ共同名義は避けた方がいいの?
- 意見が合わないと売却できない: 共有不動産を売るには、全員の同意が必要です。一人でも反対すると動けません。
- 離婚・相続時にトラブルになりやすい: 離婚や相続のタイミングで「共有状態のままだとどうする?」という問題が出やすいです。
- 相続手続きには期限がある: 相続手続き(特に相続税の申告)は10か月以内。忘れると延滞税や罰金が発生します。
まとめ
共同名義の不動産は、相続・離婚・売却などの場面で複雑な手続きやトラブルが発生しやすいため、注意が必要です。
相続や名義変更の手続きは専門的な内容も多いため、分からないことがあれば行政書士・弁護士・税理士などの専門家に相談することをおすすめします。